ビュールレ・コレクション(Buhrle Collection)
至上の印象派展
日本では27年ぶりの公開となるこの展覧会は、スイスの実業家エミール・ゲオルク・ビュールレ(1890~1956)の約600点の西洋美術のコレクションを誇りますが、そのなかでも、知名度が高く美術史の観点からみても重要な作品64点を選りすぐって紹介しています。そのうち約半数が日本初公開の作品であるということです。ほんとうに観る価値があります。出品作は、フランス・ハルスの「男の肖像」、ルノアールの「アルフレッド・シスレーの肖像」、アングルの「ドゥヴィレの肖像」から始まりグァルディやカナレットの「ヴェネツィア」の都市景観画 そして19世紀前半に活躍した「ロマン派」の代表であるドラクロワの「モロッコのスルタン」、印象派の風景画家たちで、マネ、クロード・モネ、ピサロ、シスレーの詩情溢れる作品や、この印象派のグループの最も中心的な位置にいた肖像画過家のエドガ・ドガとルノアール。特にルノアールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」はこの展覧会の表紙になっているように、素晴らしいです。この作品だけ写真撮影が許可されています。
イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)(ルノアール)
ルノワールとカーン・ダンヴェール家の出会い。本作品は夫妻の三姉妹の長女、イレーヌを描いたものです。ルノワールが描いた子供の肖像画を代表する傑作として知られています。透き通るような白い肌、青いドレスを身にまとって佇むイレーヌ、当時8歳のあどけさの残る愛らしい横顔の様子を、柔らかい流れるような筆遣いで描いています。ルノワールの描く人物は、この作品に見られるように油彩らしい透き通った艶に、流動的な筆遣いに特徴がありますね。イレーヌは11年後1891年に裕福な銀行家のモイーズ・ド・カモン伯爵と結婚、11年後に離婚、後にイタリア人のサンピエーリ伯爵と再婚しています。
アルフレッド・シスレーの肖像 (ルノアール)
1864年若きルノアールによって描かれたシスレーの肖像画。ルノアールとシスレーは仲がよくこの肖像画は、ルノアールの初期の作品、シスレーは裕福な家庭で家庭で育ち、まだ駆け出しの画家であった頃の、非常にリラックスした様子を感じさせる絵ですね。
アングルは1780年8月29日フランスのモントーバンに生まれました。 本肖像画はローマで財産検認裁判所所長を務めイポリット・フランソワ・ドゥヴィレの肖像であります。当時ローマにはナポレオンによってフランスに併合されて、数多くのフランス人管使が滞在していました。このモデルとなったイポリットもその一人です。その精密な描写力には驚嘆しますね。鋭い視線、固く結ばれた唇、凜とた制服、その威厳ある姿から新しく就いた役職への誇りが感じられます。
都市景観画
イタリアは何世紀のの間、ヨーロッパの文化的なアイデンティティを発する国であり続けた国であります。それはイタリアが古代において強大なローマ帝国の中心だったからです。当時イタリアへの旅は「グランド・ツアー」と呼ばれ、貴族の若者の教育の一環として行われていました。そんな中で多くの旅人はローマに行く途中でヴェネツィアひ立ち寄りました.
ここから先象派のなかでも独自の道を求めて己のの芸術を追及し道を開いたセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンの3人